児童・生徒の皆さんへ

読書感想文は書き終わりましたか?

16.8.22(日)


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 焼け付くような大地、昼下がり競い合って鳴くみんみんゼミ、日ごとに夕闇を早めて鳴くかなかなゼミ、……。今年の夏休みも、転がるように終わりを迎えようとしています。主を失っていた学校の校舎に、元気のいい声が戻ってくるのも、あと10日となりました。

 さて、児童・生徒の皆さんには、宿題の追い込みはいかがでしょうか? 

 ひょっとして、「読書感想文」、原稿用紙3枚。などという怪物君が、目の前にちらちら。何とも憂鬱な今日この頃の人もおられるのではないでしょうか?

 そこで、この度は(保護者の皆さんを視野に入れながら、)「読書感想文」に関してコメントを書くことにしました。何かのご参考になれば幸いに思います。



_(._.)_ このサイトは児童・生徒の皆さんが読むということを想定していませんので、ルビは付けません。


は じ め に


 「読書」が嫌いな人や、日頃読書をしていない人にとって、「読書感想文」を書けと言われたら、それは大きな負担になることでしょう。

 なかには、「読書は好きだが、読書感想文を書くことは好きではない」、「感想文を書こうと思って本を読むと、楽しめない。面白くない」。そういう人も少なくないと思います。

 その大多数が、「作文嫌い」、「面倒がりや」、「感想を尋ねられると、困惑しがち」という一面があるようです。(これは、私の体験からの傾向です。気分を悪くした人があれば、ごめんなさい。もちろん、例外もあると思います。)

 かくいう私自身、子ども時代に「読書感想文」(夏休みの宿題)を喜んで書いていたかというと、それは当たっていません。「宿題だから、しかたなしに」、「書けと言われるから、やむを得ず」というのが正直な気持ちです。

 いろいろな理由や障害があるにせよ、夏休みの宿題として出されている以上、避けて通れません。ここはプラス志向で取り組む方が、精神衛生上もいいと思います。

 そこで、この度は、宿題「読書感想文」を前に困惑している児童生徒の皆さんへ、応援歌を送るつもりでコメントを書くことにしました。

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1.感想文を書く本がポイントです


 学年にふさわしい本で感想文を書く、それに超したことはありません。が、無理をする必要もありません。別にコンクールで入賞するために書くのではないわけですから。ただし、小学校6年生が1年生対象の絵本というのは、これは考え物ですね。限度があります。

 今まで読んだ本で、心に残った本はないでしょうか? それが一番です。心に残ったと言うことは、きっといろいろと考えさせられたり、感動したりしたからでしょう。つまり、書く内容があるということです。

 そういう本が特に無かったら、これから読むしかありません。

 その際、本は物語でなくてもいいんです。自然科学・宇宙科学・動植物・各種スポーツ・料理・音楽・美術・詩や短歌……、本の世界はさまざまな分野にわたっています。一番興味のある分野で、読む意欲を掻き立てられる本に超したことはありません。

 「じっと文字を読んで内容を理解する」ということは、実に人間的な行為です。テレビを観るのとはわけが違います。でも、読書は忍耐ではありません。読書は、基本的に楽しさを伴っているべきです。

 興味・関心のある本を読むことが、まずは一番です。何事も、「面白い」ことには夢中になります。自分の読解力を越えて内容を理解します。読みながら考えたり、感心したり、感動したり、疑問に思ったり、……そういう「感想」がたくさん浮かんでくるはずです。

 まずは、そういう本を選ぶことが第一歩です。

 野球が好きな人は、物語『イチロー物語』でもいいでしょうし、「バッティングのコツ」の本でもいいでしょう。特に、実際に自分が少年野球で練習している人にとっては、自分の生活と関連づけて考える(=書く)ことができます。読書や読書感想文では、ここ(自分の生活とダブらせながら読む・書く)が大事なポイントの一つです。

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2.何を書けばいいか?


 構える必要はありません。かっこいいことを書く必要もありません。自然体でいいんです。

ο こんなところで笑ったよ。
(それはなぜかというと、・・・。(以下同じ))
ο こんなところで涙が出たよ。
ο こんなところでどきどきしたよ。
ο ここが、印象に残ったよ。
ο こんなことが分かったよ。
ο ここはどうしてかなあ?(ぼくはこう考えたよ。)
ο こんなことがもっと知りたいな。
ο この時の登場人物の気持ちを考えてみたよ。
ο 登場人物は、どうしてこういう行動をとったのかなあ?
ο 登場人物に手紙を書いてみたよ。
ο 登場人物になったつもりで日記を書いたよ。
ο ぼくならこうすると思うよ。こうしたいな。
ο そういえば、ぼくにも似た体験があるよ。
ο 本を書いた人に手紙を書いてみたよ。

 そんなこと、あんなこと、いろんなこと、……それを人にお話するつもりで、気楽に書くといいですね。

 すぐに書くのは抵抗がある人は、大人の人におしゃべりして、その内容を文章にするといいですよ。また、聴いてもらった人の意見や感想を教えてもらうと、読みが深まるかも知れません。

 できたら、その本について、家族の人や友達と「井戸端会議」みたいにして「お話会」をすると、更に幅広い感想文が書けると思いますよ。

 話すことはできるんだけど、いざ文章にするということになるとダメになってしまう人はいませんか?
 そうですね、日頃から「日記」とか「読書ノート」(=簡単な感想文ノート)を習慣にしていると、こんなことはなくなりますよ。今後の課題ですね。

 さて、いざ作文ということになるとストップになってしまう人はどうすればいいでしょうか?
 ここは、家族の人に手伝ってもらうのも一つの方法ですね。「お話会」の時に話して聞かせてあげたことを、家族の人に手伝ってもらいながら、もう一度おさらいをするんです。そして、一つ一つ確認しながら、少しずつ少しずつ作文するといいですよ。

 短い作文の集まりが、やがては原稿用紙3枚になるはずです。書き終わったら、できれば、書く順番や、書き始めや、書き終わりについて工夫して書き直すといいですね。

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3.書き終えて


 自分一人で「読書感想文」を仕上げた人もいるかも知れません。家族の人に支援してもらって書き上げた人もいるかも知れません。

 いずれにしても、どうでしょうか?

 本を読みっぱなしにしたのと、こうやって「読書感想文」という知的作業をしたのと、比べてみましょう。きっと、「読書感想文」を書いた方が、その過程の中で読みが深まったに違いありません。せっかく読んだ本が、頭の中に、より痕跡として残ったに違いありません。

 こういう機会を通して、本をより深く読むという「喜び」を味わったかも知れませんね。案外、これからの「読書」が少し違ってくるかも知れませんよ。

 また、「読書感想文集」など読む機会があったら、「ああ、なるほど、こんな読み方があるのか」、「へぇ〜、この人はすごく深い読みをしているんだなぁ」、「そうか、本を読みながら、自分の生活を見つめることって大事なんだな」などと、読書に関して関心・意欲・態度が変わるかも知れませんよ。

 宿題、それは「やらされる」という意識がつきまといます。大なり小なり、いいイメージはありません。でも、同じことなら前向きに、プラス志向で取り組むことが、「学ぶ人」にはいつでもどこでも大事だと思います。

 夏休みは残りわずかです。ここは一つ、一念発起。がんばってみましょう。思い出に残る感想文を、今年は一つ残してみましょう。

 月並みな言葉ですが、心から健闘を祈っています。

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蛇足です

 提出した「読書感想文」がどのようになっていくのか? 児童・生徒の皆さん、保護者の皆さんには気になることだと思います。

 まずは、各学級で何点か選ばれることになります。そして選ばれたら、各学年、続いて、学校全体で選抜され、「市郡審査」に持ち出されることになります。

 その際、学校代表ということになると、担当の先生の指導が入ることが一般的です。

 熱心な先生は、「児童との対話」を何回も何回も重ねて行かれます。この過程を通して、児童・生徒から更に深く切り込んだ感想や意見を引き出すことになります。

 熱心すぎることも、ままあるようです。特に小学校の低・中学年にあっては、この指導・支援の過程で過剰な場合も見受けられるようです。この是非はさておいて、「作品主義」に走らないよう、先生方にはお願いしたいところです。

 「読書感想文コンクール」に向けての指導が、目的を誤ってはいけません。

 いずれにしても、市郡審査に出品する作品をめぐって、指導の先生と該当児童・生徒の皆さんが意見交換するという機会は、実に大きな意味があると思っている私です。どうか、今秋もこういう関わりが、県内至るところで展開していくことを願ってやみません。