読書ノート

16.2.1(日)


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 この「読書ノート」(島根県学校図書館協議会編集、島根県教科図書販売株式会社発行)の実践は、島根県独自の取り組みです。

 「読書感想文コンクール」で入賞するためには、相当の読書力と思考力、表現力が要求されます。国語力が丸裸になります。

 その点「読書ノート」は、努力賞と言い換えてもいいと思っています。現在持っている国語学力が一番の要素ではありません。今の生活の中で、どれだけたくさん読書に時間を注いでいるか? どれだけ多くの時間を「読書ノート」に費やしているか? そこがポイントです。まさに、読んだり書いたりの貯金通帳のようなものです。

 この島根県独自の実践を通して、一人でも多くの子ども達が「読んだり書いたり」する時間を習慣化してくれることを祈ってやみません。




1.ちりも積もれば山となる


 この「読書ノート」を通して、子ども達は、日々、読んだり考えたり書いたりという、知的活動を積み重ねていきます。
 「ちりも積もれば山となる」、子ども達にとって、この積み重ねの意味は大きいと思います。取り組んだ1年間と読みっぱなしの1年間では、埋めようのない差となって表れます。

 日記を通して物事を見る力や書く力を高める方法があります。これも貴重な実践です。ただ、内容がワンパターンになりがちで、自分の庭から出かねる、という一面があります。

 その点、読書は読む本によって、より広く翼を広げることができます。星の王子様になったり、罪人になったり、猫になったり、また、宇宙に夢を馳せたり、昆虫の世界に遊んだり、米作りについて考えを深めたり、・・・。


 読み書きの積み重ねは、語彙を増やし、思考回路のウイングを広げ、考える力を伸ばします。心を豊かにします。学習全般にわたって、生活全般にわたって、子ども達にとっては、より豊かな生活をしていく上で大きな力となります。

 一方、子ども達は、読書ノートを通して、担任の先生や保護者との「心の交流」の場を得ることができます。本の感想を巡って意見交換をしたり、日ごろの生活を見つめたり、励ましやお褒めの言葉をもらったり、……日常生活では得られない、(筆談による)貴重な交流の場ともなっています。


 ちなみに、私がこの「読書ノート」に出会ったのは、奉職2校目の阿須那中学校。邑智郡は、伝統的に読書指導が熱心で、「読書ノート」も、郡内ほぼ全小学校で取り組まれています。

 なかでも印象的な生徒は、Mさん。入学当時、国語の成績は10段階で3でした。この子は、精力的に嬉々として「読書ノート」を書き続けました。そして、3年生になると、国語の成績は7になりました。英語も3から7に跳ね上がりました。生活全般にわたって自信に満ちた言動ができるようになったことは言うまでもありません。

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2.学問に王道なし


 「書く力」は、実際に書くことを通して力を付けていくしかありません。「学問に王道なし」 です。水泳やスキー、書道や算盤などの世界と一緒です。

 書く体験の積み重ねを通してこそ、次第に「書く抵抗」が取り除かれていきます。書くことが苦にならなくなっていきます。するとやがて、書きながら、書くことによって、考えをより深めるということを知ります。

 しかも一方、「読書ノート」を書く前には、本を読みます。視野を広げます。自然に表現力の幅と深さを増していきます。

 表現力が豊かになるにつれて、だんだん「読書ノート」の質も高まっていきます。それは、思考力の向上を意味しています。物事を見つめる目、自分を見つめる目を、より確かなものにしていきます。豊かな心の育成とも大きな関わりがあります。


 読後に感想文を書くことは、
 自分を見つめること。
 立ち止まって深く考えること。
 感動を体験すること。
 よりよく生きること。

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3.メールに答えて

 過日、上越教育大学大学院に在籍しておられる、Hさんという方から下記のような(一部抜粋)メールをいただきました。


 私は、修士論文のテーマに読書記録を掲げ、研究しています。

 読書記録が子どもたちの読書生活向上にとても役に立つことを論の要として、
どのような読書記録をとらせたらよいかを考えています。

 貴図書館協議会が、読書ノートコンクールを行っていることを知りました。

 不躾なお願いですが、
これまでのコンクール入賞作品や実践記録等をまとめたものなどがありましたら、
見せていただけないでしょうか。




 「読書記録が子どもたちの読書生活向上にとても役に立つ」ことで研究中の由。

 
 これは検証する前から結論が出ているようなものではありますが、でもそれがすべてというわけでもありません。
 
 読書ノートは、低学年できわめて有効です。絵本ということで、冊数がこなせることがあります。絵日記風に雑記帳みたいな気軽さで書くことができます。
 
 担任の先生に見てもらいたいが一心で、それが励みで書く子もいます。
 
 それが高学年ともなると、グンとコンクールヘの参加が減ります。冊数もグンと減ります。
 
 県審査では、指定している(市販の)読書ノートが原則です。低学年審査では、一年間に20冊以上なんてざらです。一方、高学年は最優秀に入る作品でも10冊に届きません。
 
 本を一冊読むのに時間がかかること、長いだけに腰を据えて書かないといけないという気持ちが沸くこと、そして、学校生活そのものが忙しくなること。そういうことが理由ではないでしょうか?
 


 今度は教師側からです。
 
 教師の一日たるや、まさに怒濤のごとき生活です。落ち着いて教材研究をしたり、ノートを見たりというのは、子ども達が帰った4時以降です。いやいや、校内分掌の仕事も次々やってきますから、すぐにそういう作業に取りかかれるわけではありません。
 
 一般的に、退庁時刻は6時半〜7時半というのが、島根県の実態です。
 
 中学校で部活動を担当していると、放課後の時間がありませんので、持ち帰り仕事が日常的です。現に、私がそうでした。
 
 クラスの子ども達が10人以内であれば何とかノートを見て、コメントを書いて、・・・も可能でしょうが、30人ともなれば、机上に「読書ノート」が山積みです。別にやらなくても人からとやかく言われるわけではありませんので、相当の根性が必要です。
 
 と、言うことで、実施に至るには障害もあります。
 
 かくいう私は、読書の記録の重要性を認識していますので、一昨年、本校に赴任してから担任の先生にお願いして、(温度差はありますが、)全校児童が取り組んでいます。
 
 所属郡(=飯石郡)に小学校が17校あります。一昨年からコンクールを始めました。ゼロからのスタートは厳しいものがあります。が、今年度は7校から、102名の出品がある予定です。


 
 読むことと書くこと、これはまさに車の両輪です。本物の学力はこの両輪で形成されます。
 
 せっかく読んだ本は、記録に留める。と言うより、もう一度自分の中であたため、練り、消化し直す。自分の言葉として記録に残す。これは、とても意義深いことです。 
 
 ただ、「朝の読書」の4原則ではありませんが、「感想を求めない」からこそ、子ども達は気楽に読み、心から読書を楽しめる。そいうい一面があることは否めません。
 
 現実はいろいろとあります。
 
 でも、読書ノートを地道に重ねていった子が、何もしなかったことと比較して、一年後、五年後、どう違うのか?
 
 これははっきりとしています。
 
 私の例で印象的なのは、入学当時、国語が10段階の3だった子が、「読書ノート」の虫となり、とうとう3年生では7になりました。英語も3から7になりました。図書委員会の委員長にもなりました。

 この事実を私は重く受け止めています。
 
 
 「読書ノート」の実物、及び、優秀作品のコピーは後日郵送します。

 ちなみに、島根県学校図書館協議会編集の「読書ノート」は、下記が販売元です。
 
 松江市奥谷町334 
 島根県教科図書販売株式会社 

 電話=0852−21−4711
 Fax =0852−27−6524
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※ 「読書ノート」は、お近くの書店を通してお求め下さい。

 直接、「
島根県教科図書販売株式会社」へ申し込まれてもかまいません。




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