不登校をめぐって
19.8.12(日)

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一昨日の新聞記事に、不登校に関する記事が掲載されていました。
それによると
島根県の小学校における不登校率が
3年連続全国で1位になったとか、……。
県教委の談話によると、
不登校児童・生徒のカウントの仕方が
各自治体で不統一で
一概に島根県の不登校率が高いとは言えないそうです。
いずれにしても、
中学生は100人中3.5人が不登校という実態。
島根県内の中学生、約750人に上ります。
これは、勤務校100人規模の学校の7〜8校分の人数です。
心が痛みます。
この度は、この「不登校」を取り上げることにしました。
県内の不登校率
小中とも全国平均上回る
〜産経新聞(19.8.10)より引用させていただきました〜
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文部科学省が9日、発表した平成18年度の「不登校」の児童生徒数。島根県で病気や経済的な理由以外で年間30日間以上欠席した児童・生徒の数は小学校が260人、中学校は746人で、公立学校全体に占める割合は小学校が0.65%と全国トップ、中学校は3.51%と同5位。
いずれも全国平均を上回り、小学校は平成16年から3年連続で1位となった。
小学校では全262校中101校(構成比38.5%)で不登校の児童が在籍し、「大規模校だけではなく小中規模でも目立つ」(県教委)という。
全児童数が前年度より約800人減るなかで不登校数は同30人増。学年別では小学6年84人、同5年68人など高学年の割合が高い。
中学校では全107校中90校(同84.1%)が在籍。前年度比で全生徒約400人、不登校生徒は42人とともに減少。学年別は中学3年299人、同2年279人、同1年168人の順。
不登校のきっかけ(複数回答)は小中学校合わせて、
* 363人 登校する気力がないなど本人の問題
* 205人 いじめを除く友人関係
* 114人 親子問題 −など。
不登校が続いている理由(同)では、
* 370人 不安など情緒的混乱
* 189人 無気力
* 163人 いじめを除く友人関係 −などが多かった。
一方、不登校の児童・生徒のうち、学業や生活面で担任教師のほかスクールカウンセラーや専門員らが相談・援助などを実施した結果、約3割の児童・生徒が登校できるようになった。
県教委義務教育課では「小学校では担任1人ではなく、学校全体で(不登校に対し)こまめに指導を徹底。今後も小中各校と情報交換しながらサポート体制の充実に努める」としている。
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不登校の定義
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文部科学省によると、「不登校児童生徒」とは次のように定義されています。
「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しない、あるいはしたくともできない状況にあるため、年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」。
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学校生活の一つ一つが
人生のダイヤモンド
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私の初任校は、全校生徒約650名のT中学校でした。3年間勤務しましたが、この間「不登校」は皆無。次の勤務校A中学校4年間、T中学校7年間とも、「不登校」はいませんでした。
それが、平成年代になってから「不登校傾向」の生徒との出会いがあるようになり、今日に至っています。
現任校(生徒数100人足らず)においては、3〜4年前には8人も不登校の生徒が存在しました。現在でも3人(うち、不登校傾向1名)がいます。山間部の小規模校ですが、ほぼ県平均は存在するということです。
いったい、なぜこんな状況になってしまったのでしょうか?
不登校の要因や、直接的原因(きっかけ)は、一人一人違うと言われています。私もそう思います。一概に「不登校の原因はこうだ」と言えないところに、対応の難しさの一因があります。
前述の記事によると、不登校の原因は「本人の情緒的側面」、「友達との人間関係」、「親子問題」となっています。
学校に勤務していて、「そういう面はあるな」と頷けるのは、「友人関係が築きにくい」という点、生活する上での「活力が低い」という点です。もっとも、そういう生徒すべてが不登校になるというわけでもありません。
「学校(学級)の環境が悪いから不登校になる」という指摘については、そうではないとは言い切れません。ただ、大半の生徒が生き生きと学校生活を楽しんでいるという事実がありますので、それを主要因とするのは正しいとは考えていません(下の調査結果参照)。
「いじめ」が原因になるケースを除いては、(不登校で苦しんでいる生徒やご家族の皆さんには申し訳ありませんが、)やはり「本人自身の心の問題」と言わざるを得ません。こういう断定をすること自体、タブーだということは承知しています。
でも、これから学校生活を送る多くの子ども達のために、「なぜ不登校になったのか?」、「不登校にならないためには、幼少時からどういうことに留意すればいいのか?」など、多くの事例を集約して指針を示すことが、喫緊の課題だと認識しています。何と言っても、全国で実に13万人以上の子ども達が、「不登校」の状態にあるのです。更に増え続けているのです。ゆゆしき事態です。
もっとも、「学校に行くことだけが人生ではない」という考え方を全面否定するものではありません。ただ、(学校に勤務する者の立場から)思うのは、小学校・中学校時代は、一日一日、一つ一つの出来事が、まさに「生きる力」を培う上でのダイヤモンドです。
学力を身に付けることはむろんのこと、さまざまな刺激的な出来事に遭遇して、人と人との関わり方、ものの見方考え方など体験を通して学ぶのが、学校です。苦しさつらさを乗り越え、「活力」を培うのも忘れてはならない側面です。ベストを尽くして取り組めば、その分、感動的な場面にも出会います。生きる糧となります。
人は、人との関わりの中でしか生きていけない存在だと思います。それを学ぶのは、他でもない「集団生活」を通してに違いありません。
家庭で、同年代の者と関わることなく、独りぼっちで過ごしている「不登校」の皆さん。ぜひぜひぜひ、学校へ出てきて欲しいです。
しかしながら、……それが出来ないから苦しんでいるのです。本当に悲しい現実です。
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勤務校1学期の生活アンケート結果(人数)
生活アンケートの結果
| 多い順 |
質 問 内 容 |
○ |
△ |
▲ |
● |
| 1 |
部活動は、がんばっていますか? |
72 |
9 |
1 |
1 |
| 2 |
友達と仲良く生活していますか? |
69 |
13 |
1 |
0 |
| 3 |
学校生活は、楽しく過ごしていますか? |
62 |
17 |
4 |
0 |
○=はい △=まあまあ ▲=あまり ●=いいえ
不登校の皆無を求めて……
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私は教育研究家(評論家)ではありませんので、理論に基づいて、きちんとものが言える立場にはありません。
ただ、人が生きていく上で「不易」の一つとして、次の言葉がいつも浮かんできます。
強くなければ生きていけない、
優しくなければ生きていく資格がない。
ちなみに、勤務校のスローガンは、これとダブっています。
「自由保育」が幼稚園に導入され、その延長線上の考え方が主流となっている、今日の学校教育。 ……あながち、それが悪いとは言えません。
ただ、本当の自由は、「躾」「規制」を乗り越えて、その向こうにあると、私は考えています。深い愛情に包まれながら、その一方で、辛かったり苦しかったりする「ハードル」を一つ一つ乗り越え、「じっとガマンする」「わがままを抑える」体験を積み重ねることが、より豊かな人生を歩むためには、必要不可欠ではないかと考えています。
私自身、乳幼児期は典型的な「ばあさん子」でした。「ばあさん子」はいい一面もあると言われていますが、「自分中心」「わがままいっぱい」な面がふくらむ危険性があると思います。現に私自身、保育所へ行くことを強く拒み、朝、親が私を残して帰ろうとすると、大きな声でしばらくは泣き叫んでいたそうです。
保育所では、私は王子様ではいられません。わがままも聞き入れてもらえません。保育所の規律も守らないといけません。友達との葛藤もあります、……。
私は今でも、この原点を意識しながら生活する必要があります。わがままな自分を自覚するたび、自分に言い聞かせています。「辛く苦しい体験」を今でも日常的に自分自身に課していこうと、自分なりにむち打っているつもりではいます(毎夕、10Kmランニングを継続するなど)。
この積み重ねが、「あふれる活力、あたたかい心」を培っていってくれるのではないかと信じ、実践しているつもりです。
私事になりました。「不登校」と私の関わりが、ここにあるに違いないと思って紹介しました。ただし、不登校といっても一つに集約できません。なかには、「どうしてこの子が、……?」というケースさえあります。
いずれにしても、「現在不登校で苦しんでいる生徒を救うには、いったいどうすればいいのか?」、考えない日はありません。これだけ多くの事例があるのです。体験者もたくさんおられます。大きな勇気を持って、大胆に切り込んでいき、これから子育てをされる若いお父さん・お母さんに、「これだ!」という指針を示していただくことを願ってやみません。
中学生ともなると、10数年の長い長い積み重ねがあります。大きな見えない力に引きずられて、本人自身が抜け出せなくて苦しんでいるのです。家族の苦しみも同様です。ここ中学生の年齢に至っては、なかなか特効薬はないというのが実態です。
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蛇足です。
勤務校における事例ですが、
中学校時代に(完全)不登校だった生徒が
高校入学と同時に
不登校が改善されたケースが
2例もあります。
いずれも、
学級担任を中心とした
ねばり強い、
あたたかい心のこもった
関わりが存在していました。
卒業直前には
朝終礼など教室に入るまでに改善して卒業していきました。
生徒自身の努力もさることながら
家族の愛情と
学校(特に学級担任)の熱意あればこそです。
時間が解決するとほったらかしにして
本人の意識改善を待っていても
あっという間に大人になってしまいます。
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