読書感想文必勝法

感想文の書き方ページ

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1 本を決める

 まずは本を決めないと話にならない。本を選ぶ時点で出来上がる作品はほぼ決まってしまうので大変重要な作業だ、とも言えるし、どんな本であろうが書けないことはないので何を選ぼうと一緒だ、とも言える。しかし、ここでの重要ポイントは、実は、「最後まで楽しく読める本を選ぶこと」だ。最後まで読まないと普通書けないからである。また、最後まで読めないような本のことは思い出すだけで苦痛だからである。あらゆる情報を調べて「これなら最後まで楽しく読めそうだ」という本を探す。いくら時間をかけても良い。ただ、のちのちのことを考えて、・字が極度に少ないもの(酒井若菜写真集「予感」など)、・公序良俗に反するもの(宇能鴻一郎「美人秘書発情責め」など)、・明らかに法律に反するもの(「腹腹時計」など)、・欲望を過度に刺激するもの(栗原はるみ「すてきレシピ」(食欲)、上田徹一郎「民事訴訟法」(睡眠欲)など)は避けるべきだと思う。

2 「型」を決める

 よく作文指導の本で、「心に浮かんだことをそのまま書けばいいのです」などと書いてあるが、あれほどバカげたアドバイスはない。その「そのまま書く」ことができないからアドバイスを求めているのである。問いをもって問いに答えてどうする。また、心に浮かんだことを「そのまま」書くのは不可能である。本を読んだあとに残る感想は、「いわく言いがたい」ものだ。これに比べて言語は記号であり、よりデジタルなものであるから、感想を言語化するとき、必ずいろいろな要素がこぼれ落ちる。だから、「そのまま」の感想などありえないのだ。

 何を書いていいかわからないのに「何を書いてもよい」というのも困る。これは食事に行くときに「何を食べたい?」と聞いて「何でもいいよ」と言われるのに似ている。そう言う人に限ってあとで難癖をつけてくるのも似ている。

 ではどうしたらよいか。慣れるまでは、とりあえずこれに沿って書けば「読書感想文」になる、という「型」を決めることが有効だ、と思われる。感想を言語化して文章化するという作業は、実は高度な抽象化作業であるので、普段ロクに文章を書いたこともない子供にとっては大変な作業である。かつてのワタクシのようにそれこそ一文字も書けない(あるいは文頭の「ぼくは」で止まってしまったり)ということもよくあるのだ。はじめの一文字を踏み出させるためには、まずは「型」通りの感想文を書けるようにすることである。以下はこの「型」について。

2−0 本との出会いを書く

 本を買ったり手に入れたりした経緯を書く。誰かに薦められた、本屋で見て表紙がきれいだから買った、など。特にエピソードがなければ不要。

2−1 あらすじをまとめる

 まずはどういう内容か、まとめていく。慣れないと難しいが、ポイントをはずさずに、一文一文を短めに、まとめる。全体の字数の3分の1くらいまでは使っていい。まとめているうちに、内容を思い出し、作者の意図や要点が発見できる、かもしれない。しかし、これも字数稼ぎ以外の意味はあまりないので、不要な場合は書かない。

2−2 感想を書く

 いよいよ感想である。ナマの感想を書いてしまうと、「面白かった」「つまらなかった」くらいで、すぐ書くことがなくなる。仕方がないので、本の一部をどんどん抜きだして、「ここは面白かった、ここはすごいと思った」などとたたみかけるパターンをよく見かける。しかし、これではいくらなんでもつまらない。感想を書くコツは、逆説的だが、「できるだけ感想を書かないこと」である。「本の内容にネタに、普通の作文を書く」くらいの気分でいい。感想はあえて書かなくても自然に出てくるものである。

 まずは、書く対象を絞ること。作品中の一つのエピソード、作中人物の一つの行動などに絞って、それについて書く。書く内容は、

 ・そのエピソードに共通する自分の具体的な経験を説明し、そのときの自分の行動と作中人物の行動を比較し、論評する。

 ・そのエピソードに関連した社会問題をとり上げ、作品の内容と比較し、論評する。

 といったところが代表的なパターンだ。こう書くと難しそうだが、経験や社会問題として挙げるものはごく身近な例でいい。友達との関係や、学校生活のことや、家族とのかかわり、ペットのこと、新聞に載っていたニュースなど、ネタは無限に転がっている。本を選んだ時点で、自分が興味のあることについて書いてある本を選んでいるはずであるから、身近な体験や事件と結びつけることはそう難しくないはずだ。逆に、自分の持ちネタについて書きやすいエピソードを選ぶことも大切である。自分の土俵に相手を引き込むのだ。自分の経験なり社会問題なりで3分の1、それを本の内容と結びつけて評価するのにもう3分の1くらいを使う。これでほぼ終わってしまう。

2−3 まとめ

 最後のシメを忘れないように。「この本から何を学んだか」「これから自分はどうするか」あたりが定番。

3 応用

 以上、「型」について書いてきたが、文章力に自信のある人はこれにこだわる必要はない。実際、読書感想文は本に関連してさえいれば「何を書いてもいい」のである。手紙風、日記風、独白風、評論風、物語風、漫才風、なんでもありだ。